駛水 清涼なるは 楽し
法財自から集まるは 快し
智を得て明慧なるは快し
慢を滅して邪無きは 快し
これは『出曜経』(しゅつようきょう)というお経にあることばです。
駛水(しすい)、すなわち流れる河は清涼(せいりょう)で、人間の私意(しい)つまり<私ごころ>を微塵(みじん)も入れる余地がありません。法財(ほうざい)すなわち真理という宝物は盗難災害にも侵される心配がありません。智、すなわち真理に明るいことは、自身の怠慢(たいまん)を滅ぼして心の安らぎをもたらします。私意を捨て、物の<いのち>の尊さを素直に受け入れる態度、これが21世紀のわたしたちに求められる心なのでありましょう。