経寸十枚、是れ国宝に非ず。一隅を照らす、此れ則ち国宝なり。
『山家学生式』（さんげがくしょうしき）にある伝教大師（でんきょうだいし）のおことばです。
立派な人材を育てることが国の宝となるのであって、経寸（けいすん）、つまり財貨の多い少ないが国を富ますことではない・・という意味です。天台宗を開かれた伝教大師（でんぎょうだい）さまは、これに基いて人材育成（僧侶）のあり方を示されました。
「一切の者は仏に成るべく＜いのち＞を宿している」。生きとし生けるものすべてを覚めさせるよう「一隅を照らす」教育が、今、一番に求められています。
