木魚歳時記 第814話

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 珍皇寺(ちんこうじ)のある<六道の辻>あたりは、昔から、この世とあの世の分かれ道と信じられていた。また、あの世とこの世を行き来することができる場所とも信じられていた。

    「生きる時間が
       黄金のように光る」(村野四郎「鹿」)

 昔、小野篁(おののたかむら)という偉い学者がいたそうな。彼は、珍皇寺(ちんこうじ)にある古井戸を通って、あの世とこの世を自由に行き来したそうな。そんなところから、毎年、八月七日から十日の四日間は、ご先祖のお精霊(しょうらい)をお迎えする<六道まいり>の習慣が生れ、今でも盛んに行われている。そして八月十六日、大文字の<送り火>となるわけじゃ。<珍皇寺:松原通東大路西入ル>

     間違ひて大人となりし羽抜鳥