木魚歳時記 第812話

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 泉涌寺の総門をくぐると、丈六(じょうろく)の釈迦を安置した戒光院(かいこういん)がある。身の丈が約五・五メートル・・昔から、大きな仏像は<丈六さん>と呼んだそうな。

  「本気なら何をしたって
      立派だからね」(里見弴「多情仏心」)

 この釈迦如来(しゃかにょらい)の喉(のど)に、しみのような傷跡が残っているそうな。なんでも、昔、後水尾天皇が即位(そくい)の時に争いに巻き込まれ首を刺される夢を見た。そして翌朝、この釈迦如来(しゃかにょらい)の喉元に血の流れたあとが残っていた。以来、身代りの<丈六さん>と呼ばれている。<戒光院:泉涌寺山内町二十九>

     夕蛙あとはいつもの念仏婆