木魚歳時記 第806話

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 絶世の美女、小野小町も晩年は悲惨(ひさん)だった。洛北の山里で見取るひともなく世を去ったそうな。白骨となった眼窩(がんか)からススキが芽をふいていたという伝説まである。この地に建てられたのが補陀落(ふだらく)寺じゃが、人はみな小町寺と呼ぶ。
  
   「生まれけり、
      死ぬまでは、生くるなり」(武者小路実篤) 

 小野小町は史実には不明が多いそうな。数多くの小町伝説が各地に残っている。当時、鞍馬、静原の一帯はの墓所地であり、こうした小町伝説も後世作られたものかもしれない。百日間通いつめたという深草少将の伝説も含め、美しい高貴な女性をめぐる秘話が、いつまでも語り継がれていることに、人々の思いが感じられて興味深い<補陀落寺:静市静原町>

     ひたすらと犬の愛咬聖五月