木魚歳時記 第801話

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 行願寺(ぎょうがんじ)の山門から、赤いちょうちんが見える。本尊の十一面観音像(かんのんぞう)が浮かび、観音信仰が、京の町衆ともに生きてきた寺の雰囲気(ふんいき)とよくマッチしている。

  「僕は死ぬまで
      進歩する積もりで居る」(夏目漱石

 昔、男が山中で鹿を射とめた。ところが、その鹿は身ごもっていてなぁ・・哀れに思った男は、これがきっかけで出家(しゅっけ)をしたそうな。その鹿の皮を清めて経文をしたため、これを唱えながら比叡山の横川(よかわ)で修行を続けたそうな。やがて僧は京の都に下りて、千手陀羅尼(せんじゅだらに)を唱えながら多くの人の苦しみを救ったそうな。人々はこの僧を革(こう)上人と呼び、この僧の開いた行願寺を「革堂」(こうどう)と呼ぶようになったそうな。<行願寺:寺町竹屋町>

    品変へてチヽポヽ貢ぐ山椒喰