木魚歳時記 第753話

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小ちゃな雀が 死んだのに、芥子は真赤に咲いている。
知らないのです 知らせずに、こっそりそばを通りましょう。
もしもお花が きいたなら、すぐにしぼんでしまうから。(金子みすゞ

 ワニが、猿の王をみてその心臓が喰いたくなりました。そこで「むこう岸に熟れたマンゴーの実がありますよ、私がつれていってあげましょう」。と誘いました。河の中ほどまでくると、ワニは「ところで猿さん、今日は心臓をお持ちでしょうね?」と探りをいれました。そこでワニの悪巧みに気づいた猿の王は「あいにく私の心臓は向こう岸のマンゴーの木に干してきました。向う岸に着いたら、さっそく差し上げましょう」。と答えました。そして岸に着くとすたこら行ってしまいました。

     早春や野鯉たちまち泥試合