木魚歳時記 第674話

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 「毛坊主」(けぼうず)。胸や、脛(すね)に、いっぱい毛を生やした豪快そうな和尚さんを見かけます。そうすれば、ぼくなどはさしずめ<エロ坊主>ということに。

  「生きる時間が
      黄金のように光る」(村野四郎『鹿』)

 寺や檀家(どんか)を持たず、世間で普通の暮らしをしながら宗教活動にたずさわった半僧半在の僧侶?のことを「毛坊主」(けぼうず)と呼びました。真宗では「毛坊」(けぼんさん)とも呼んだようです。在家(寺とか、檀家を持たない)で、正規の僧侶の補佐役として仏事にたずさわったのですが、地域社会の「俗聖」(ぞくひじり)として、むしろこれが本来の坊主(ぼうず)のありかたでしょう。

    花蚋の精気ぬたくる昼さがり