昔、女性の出入りを禁じた女人結界(にょにんけっかい)があり、律寺(りつてら)などでは守られていたようです。むむ、大黒さんとぼくに見えない<結界>が?
「小うるさい精神や神経の曲折は
いっさい捨てて正面から、堂々と
この女を愛してやろう」(『芳兵衛物語』)
「結界」(けっかい)とは、教団の秩序を維持するために一定の区域を区切ることです。密教では修行道場に魔障が入らないように「国土結界」(こくどけっかい)、「道場結界」(どうじょうけっかい)、「壇上結界」(だんじょうけっかい)などを設けます。多くの寺では、本堂の内陣(ないじん)と外陣(げじん)の間に<さく>を設けて結界とするようです。