破蓮(やれはす)のことばがあるように、秋の蓮池ほど殺伐とした風景はありません。その破蓮も消え去った冬の蓮池ほど淋しげなものはありません。その同じ蓮池の泥の中から、ふたたび清楚な蓮の花が・・
「物には時節あり。花の開閉、人の生死、
なげくべからず」(井原西鶴)
「化生」(けしょう)とは、胎生とか卵生と違い、何もないところから忽然と生まれ出ることをいいます。これが転じて神仏の化身とか妖怪変化の類をも指すようになります。また「蓮華化生」(れんげけしょう)ということばもあります。これは極楽の蓮の台(うてな)に生まれ変ること、すなわち極楽「往生」(おうじょう)することを指します。