木魚歳時記 第661話

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 魚板(ぎょばん)は、木を魚身の形に彫って作ったものです。おもに禅門で用いる法具の一つであります。京都の宇治にある黄檗山万福寺に行くと大きな魚板が事務所の天井から吊り下がっていますから・・ぜひ一度はお訪ねください。

  「みほとけに救われありと思い得ば
     愁いは消えぬ消えずともよし」(伊藤左千夫)

 法具(ほうぐ)とは、合図に使用する道具のことです。例えば、僧堂の近くに魚板を掛けて、長打すること2通は食事の合図、長打すること1打は<普説>の合図・・などなど定めがあるようです。これにならって、各宗派においても長方形の板木(ばんぎ)を吊るして種々の合図に用いるようです。これは、読経のときに用いる、魚鱗のある木魚(もくぎょ)とは異なります。

     塔頭に男いっぴき親燕