古来、寺は山岳信仰のかかわりから山中に建てれることが多く、さらに、鎌倉時代に禅宗が伝えられてからは、禅寺に<山号>が付けられるようになり、各宗派にも浸透してゆきます。
「峰の色谷の響きも皆ながら
吾が釈迦牟尼の声と姿と」(道元)
「五山」(ござん)は、「五山十刹」(じつせつ)と呼ばれるように、禅宗の寺格を表わす言葉がおこりです。中国の南宋の時代に、5ヵ所の名刹(有名な寺)を選んで、勅旨(ちょくし)により、高僧を輪番で住持としたことに由来します。日本では、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺の鎌倉五山。また、南禅寺、天竜寺、相国寺、建仁寺、東福寺の京都五山があり有名です。