木魚歳時記 第654話

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 「悪作」(おさ)と読みます。また<あくさ>とも読むようです。ぼくは、寺で生まれましたが、子どものときから<変態よい子>で、寺の境内(けいだい)で<悪さ>ばかりして、母親を泣かしていたそうです。

 「身はいやしくとも心は高くありなん」(法然上人)

 仏教でいう「悪作」(あくさ)とは、もちろん<悪さ>をすることではありません。原語は「悔」(げ)と訳されることもあるようですから、善悪の行為を行った後、それについて思いをめぐらせて後悔(こうかい)することを意味します。善い行いについての後悔も含まれるところが、仏教のすごいところです。ついでに云うと<後悔>については、現在では、違った意味に用いられています。

    大奥に忍び込みたる火取虫