神社や仏寺の門前に置かれている獣形の像が狛犬(こまいぬ)です。異国の犬、すなわち、高麗(こま)の犬と考えられていますが、本来は、聖域を邪悪から守護する<鎮獣>の獅子なのです。
「行きづまりが多いのは
自分が裸になれないからだ」(石川洋)
狛犬の、一方が口をひらき、他方が閉じているのは、万物の始原と終極を象徴するといわれます。密教で説く「阿吽」(あうん)の呼吸を顕しているともいわれます。狛犬は、獅子とか、犬にかぎりません。東山山麓の<哲学に道>付近にある神社に参詣したとき、なんと「狛鼠」(こまねずみ)が鎮座していたのには驚きました。