木魚歳時記 第612話

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 釈尊の死後4,5百年して「大乗仏教」(だいじょうぶっきょう)と呼ばれる<仏教運動>が起こります。

 そもそも経典とは釈尊の説法集であります。しかし釈尊はすでに数百年前に亡くなっており、弟子たちが<じか>に説法を聞いたわけではありません。そこで、大日如来(だいにちにょらい)とか、阿弥陀如来(あみだにょらい)とか、観音菩薩(かんのんぼさつ)とか、多くの仏(ほとけ)や菩薩(ぼさつ)を、経典の主人公として登場させ、あたかも釈尊が説法されたかのように語らせる・・しかし、釈尊が実際に説法された記録ではありませんから、その意味では、原始経典とは性格が異なるのですが・・これらを総称して「大乗仏教経典」と称します。日本の仏教各宗派のほとんどは、これらの大乗仏教経典を基盤として存在しているのです。

     盲目の魚やすませて水温む