木魚歳時記 第608話

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 釈尊は、みずから「経」と呼ばれる書物を書き著されて弟子たちに示されたわけではありません。釈尊の教えが、口伝(くでん)により伝承されて行くうちに、それが分類整理され、約500年という長期をかけて、膨大な「経典群」が成立したのです。

 そのなかで、釈尊一代の伝記、弟子たちの言動など、初期仏教の姿を知ることが出来るものに『阿含経』(あごんぎょう)と呼ばれる経典群があります。また、釈尊の教えが原型に近くて、しかも、比較的に親しみやすいものに、パーリ経蔵群があります。『ダンマパダ』(法句経)、『スッタニパータ』(経集)、『ジャータカ』(本生経)などであります。中村 元訳<スッタニパータ>が『ブッダのことば』(岩波文庫・青301-1)として入手できます。この際にぜひ読んでみてください。

     阿と吽に踏み外したり猫の恋