「念仏」(ねんぶつ)とは、弥陀(みだ)の名号を口に称えることです。この「称名念仏」(しょうみようねんぶつ)の教えをもつて浄土宗を開かれたのが法然上人であります。
この称名(しょうみょう)の念仏の源は『観無量壽経』でありますが、中国、日本の浄土教の歴史において、念仏がいつごろから称名念仏または口称念仏(くしょうねんぶつ)と限定されたか?それを学問的に立証することは、必ずしも明瞭ではないようです。それはともかく、現存する『観無量壽経』により、中国浄土教の祖師・善導大師(ぜんどうだいし)の称名念仏の教えを基に、浄土宗を開かれた法然上人の称名念仏の教えに恋慕することがより大切であります。