もう一つ「帰依」(きえ)の語源となるサンスクリット語に、<ナマス>があります。これは「身を屈めて敬意を表する」という意味です。漢訳経典では、この<ナマス>が「南無」(なむ)と音写されました。
アミダ仏に対して「身も心も投げ出して信奉いたします」と誓うのが「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)で、ありがたい『蓮華経』(れんげきょう)に対して「身も心も投げ出して信奉いたします」と誓うのが、「南無妙法蓮華経」(なむみょうほうれんげきょう)で、仏教の教主である釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)に対して「身も心も投げ出して信奉いたします」と誓うのが、「南無釈迦牟尼仏」(なむしゃかむにぶつ)となるわけです。