木魚歳時記 第583話

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 愛の基本が「なにものかにひかれること」。と仮定とするならば「ある主体の、特定の対象にいだく、全体的または部分的な<合一>の欲求」。これが愛の定義となりうる。と考えることができます。 

 これを、ぼく流にいえば、もしかして、ぼくの目の前に好ましい女性があらわれ、そしてぼくは、その人のことばかりを考えるようになる。そうなればぼくには、その人への部分的な<合一>の欲求が生まれ、やがて、二人の全体的な融合(恋愛)へと発展するのかもしれません。プラトンは、これを「エロスの愛」と呼んだようです。つまり「自己に欠けたものへの欲求」が、たまたま、異性の間で起こったことになります。このように「自己に欠けたものへの欲求」が、どうしても他のものでは満たされないような根源的な渇望であったとき、そのことを癒せるのが宗教的な「愛」なのです。

    ほつほつと亦ほつほつと年迎ふ