木魚歳時記 第581話

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 百八の数は、除夜に撞く鐘の数をあげるまでもなく、煩悩(ぼんのう)の数を顕したものとされています。それではこの百八の数は、いったいどこから出てきたのでしょうか?

 古代インドでは、人間には、六つの感覚器官(眼・耳・鼻・舌・身・意)があって、それぞれ六つの感覚(色・声・香・味・蝕・法)を把握できるとされていました。この六つの感覚のそれぞれに、、快感(楽)、不快感(苦)、そのどちらでもない(捨)の三種の感じ方があると考えると合計18となります。さらに、これとは別に、六つの感覚にそれぞれ、好・悪・平の三種類があると考えるなら、これも18となります。この両者をあわせてると36となります。さらに、この36に過去・現在・未来の三種を考えるなら総数108となるわけです。以上が108の数を数える一つの説であります。こうして108の煩悩の数が導きだされ、除夜の鐘を撞く習慣が生まれてきたのです。

   夜咄のこれより佳境小晦日