「卍」(まんじ)の起源についてはさまざまな説があるようですがここでは省略をいたします。仏教で用いられる卍は、四方にかぎ形に伸びる象形よりしても、また古来、音写を「まん」とし、萬の字をあてることよりしても、非常に縁起のよいものとされていたようです。
仏教では、ブッダ(釈尊)の身体的特徴(八十種好)として「手や足にシュリーヴァッ(卍)をもつ・・」と述べられています。すなわち卍は、古代インドの理想的な偉大な人物が有する身体的特徴の一つと考えられていたのです。インドで発見される「仏足石」(ぶっそくせき)にも卍が刻まれていることが多いのも、そうした理由によるのでしょう。いらい卍は、仏教のシンボルとして、いろんなところにおいて用いられるようになります。