木魚歳時記 第571話

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 仏教寺院の本堂ないし諸堂の正面に壇(だん)を据え、その上に本尊その他の仏像を安置する形式を「須弥壇」(しゅみだん)といいます。これは、前項の「須弥山」(しゅみせん)世界をかたどったものであるといわれています。

 おなじく前項で述べましたように、仏教の宇宙観である須弥山は、帝釈天が諸天の帝王としてその威徳をあつめると考えられていました。これにちなんで、人天の法王である仏(ほとけ)を中央の上段にお祭りして、仏(ほとけ)の尊厳を示そう。というところから須弥壇と称せられた・・ともいわれています。わが国においては、中世までこうした壇(だん)について、「仏壇」(ぶつだん)と呼ばれ、須弥壇(しゅみだん)と呼ばれるようになったのは近世に入ってからだともいわれます。

   しぐるゝや足裏目となる男坂