木魚歳時記 第570話

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 宇宙の中心をなすものとして、仏教の宇宙観がつくりだした、想像上の山が「須弥山」(しゅみせん)です。

 須弥山の上は「天界」(てんかい)に連なり、須弥山の頂上には「帝釈天」(たいしゃくてん)が、中腹の四方には「四天王」(してんのう)が陣取り、下方に「七金山」(ひちこんざん)を配して、下方つらなる「八大海」(はつだいかい)中に、須弥山は聳え立っています。また、須弥山の中腹を「日月」(にちがつ)および「難陀」(なんだ)と「跋難陀」(ばつなんだ)の二大龍王がめぐっている・・このように「須弥山図」(しゅみせんず)に描かれる空想の世界は、とてつもなく大きいことがわかります。仏教美術として、法隆寺に伝わる「玉虫厨子絵図」(たまむしえず)、東大寺大仏連弁および二月堂本尊光背の線刻画などが有名です。

  夜咄はこれより佳境一茶の忌