木魚歳時記 第559話

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 「虚空蔵菩薩」(こくぞうぼさつ)は、虚空の無量の智慧と功徳を宿す菩薩として、やはり、現世利益をもたらす菩薩として庶民の間に信奉されてきた菩薩です。ここでいう「蔵」とは、すべての人々に安楽を与える宝を収めている、という意味になります。

 虚空蔵菩の薩信仰は、菩薩の「聞法持法」(もんぼうじほう)の呪力を介して、僧俗貴賎を問わず智慧を授ける菩薩として定着したところから、古くから学芸向上を祈願する風習は根強く生きています。現在でも、虚空蔵さんへの<七・五・三>詣りは有名であります。その代表が、京都嵐山にある法輪寺虚空蔵菩薩です。庶民の菩薩として、現世利益の象徴としてあるところは地蔵菩薩と似ているといえます。また、仏教美術としては、奈良額安寺の虚空蔵菩薩像、東京国立博物館所蔵の虚空蔵像、神護像、教王護国寺像などが有名です。

 しんがりはのっぽ猫背の鉢叩(応募作品8)