木魚歳時記 第553話

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 「菩薩」(ぼさつ)は、サンスクリット語のボディ・サットバの音写といわれます。ボデイ(菩提)は悟りを、サットバ(薩)は生きるものを意味するところから、菩薩とは「悟りを求める人」「「悟りをそなえた人」の二つの意味があるといわれます。

 仏教が受容した菩薩とは、①自己一人の悟りを求めて修行するだけではなく、②悟りで得た真実をたずさえて現実の中におり立ち、世のため人のために平和社会の建設を実現(実践)しようと志す者(これを「慈悲利他」(じひりた)の行為と言います)を指して菩薩と呼ぶのです。わかりやすくいえば、菩薩とは自身の悟りを求めるだけでなく、同時に、悟り得た真実の内容をもって世の中を幸せにしようと行動する・・その「願い」を持つ<人間>のことであります。その<人間>が自身の持つ「願い」を達成したとき、はじめて「仏」と成りたまうのです。

   優男月の雫となりにけり(応募作品2)