木魚歳時記 第552話

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 第5章で、インド古来のヒンズー教の「神」について述べました。その神々のほとんんどが、わたしたち庶民のいだく、自然への畏敬の気持ちが・・そうした神々を誕生させたこともわかりました。日本の寺院の山門に仁王あり、伽藍に阿修羅あり、厨房に大黒あり・・というように、仏教がヒンズー教の神々をその教えの中に受容し守護神としてきたのです。

 仮に、仏教の中に、そうした富を招き、子を授かり、美を与えてくれるなどなど、すなわち、庶民の願望を直接に満たしてくれる神々の存在がなかったとしたら・・もし、庶民信仰の神々が仏教と渾然一体でなかったとしたら・・現代における仏教の形もまた違った方向にあったのかも知れません。
 この第6章では本来の仏教の教えにもどり「菩薩」および「仏」について考えましょう。

  嘘二つほふりあげたるとんぼ釣(応募作品1)