「吉祥天」(きちじょうてん・きっしょうてん)は、幸福をもたらす女神、美と富と繁栄をもたらす女神とされています。また、伝説としては鬼子母神を母とし、毘沙門天の妃であった・・とも伝えられています。
日本においては、この女神を祭って天下泰平、五穀豊穣を祈願する「法会」(ほうえ)が古くから行われています。また、仏教美術の面においては、左手に「如意宝珠」(にょいほうしゅ)をささげ持ち、左手に「与願印」(よがんいん)に作る、容姿端麗の立体像が多く、浄瑠璃寺像はその代表例といわれています。そのほか、吉祥天を描いた美術・文化財の数は多く、日本の仏教美術においては最も親しまれた女神であるといえます。