木魚歳時記

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木魚歳時記 第538話

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 古代インドの叙事詩に現れてくる「夜叉」(やしゃ)は、魅力的な若い女性として描かれ、突然にその姿をみせて、若い男を翻弄する鬼女、そんなイメージがあります。

 夜叉は、仏教を守護する(八種の神的なもの)「八部衆」(はちぶしゅう)として仏教にも取り入れられています。日本においては、謡曲などに「外面似菩薩、内心如夜叉」と用いられ、夜叉の面をつけて舞う恐ろしい鬼女のイメージが定着しているようです。しかし、原語サンスクリット「ヤクシャ」の意味は「すばらしいあらわれ、ふしぎな出現」とありますから、財宝や富をつかさどる半神として大衆の憧れであったのかも知れません。このぼくも若い頃、きらびやかな夜叉のごとき女性に急接近して食われそうになった<うつつ>いや<ゆめもどき>があります。

   宗匠の蹠すべりて炉を開く