木魚歳時記 第534話

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 「奈落」(ならく)は、インドの古語・ナラカの音訳だそうです。ナラカとは、仏教以前よりインドにあったヒンズー教で説く「地獄観」(じごくかん)のことです。

 ヒンズー教で説く地獄観とは、どのようなものであったのでしょうか。ヒンズー教では、三つの世界(三界)を説きます。①天上界(神々の住む) ②地上界(人間の住む) ③地底界((悪魔や蛇の棲む)のことです。この地底界は、さらにさまざまな地獄に細分されますが、総称して「地獄」(じごく)と考えてよいでしょう。そして、この地底界の一部に死者の世界があり、そこには、おなじみの閻魔大王(えんまだいおう)がいて、死者が生前に行った行為の善悪を査定して、罪人と決まればさまざまな地獄へと送り込まれるのです。

   冬構どこも動かぬ永平寺