木魚歳時記 第532話

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 「末法」(まっぽう)は、「正法」(しょうぼう)、「像法」(ぞうほう)、「末法」(まっぽう)と続く仏教の時代観であります。その内、末法は仏教が衰退するであろう時期を指しています。

 末法思想は、6世紀ごろインドに現れ、すぐに中国に伝わったとされます。そのころから隋・唐の時代にかけて、すでに末法の時代と考えられ、中国浄土教が生まれる素地となったようです。日本においては、1052年(永承7)が末法に入る時代とされ、ちょうどその頃に災害や戦乱が続発したことから、庶民の間に末法意識が強くなったものと考えられます。そして、この末法の世を救う教えとして、庶民救済のアミダ仏信仰。つまり浄土教が急速に広まることになったのです。

  冬近し足裏目となる作務の僧