現在、「あの人は分別(ふんべつ)がある」「あんな無分別なことでは・・」。といったように用います。道理をわきまえる、反対にそうではないの意味です。
ところで仏教では、無分別は「無分別智」(むふんべつち)、「無分別の世界」として讃えられます(これは次の項で触れます)。ここで、確認しておきたいことは、西洋の思想は「二者選一」を、現実を重視する中国の思想は「分別」を、インドで興った仏教は「無分別」を、それぞれに価値観を置いていることに注目したいのです。これは仏教の教えを理解するうえで参考になります。おそらく、気候風土に基く「一神教と多神教」の問題に関係するのでしょうか?