「あの人えらい出世しやはった」・・といいます。この「出世」（しゅっせ）という言葉は、本来、仏教用語です。
さて「出世」には二つの意味があります。その一つは、仏が衆生を救うために、この世に出現されることを指します。釈迦は歴史上の人物であります。つまり、この世に実在された[人間釈迦」であります。この「人間釈迦」が悟りを開かれ、悟りの内容をお説きになったのが仏教です。それは、わたしたち衆生を救済するためであります。つまり、仏（ほとけ）が「人間釈迦」に身を変えて、この世におでましになり、釈尊となられて、この世の衆生を救済されようとした・・このように考えてもいいかと思います。
