木魚歳時記 第448話

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 いちびるは「一振(いちぶ)る」の転訛で、語源は浪花の魚市場だった雑喉場(ざこば)で行われていたセリ市にある。『守貞漫稿(もりさだまんこう)』に、「大坂も雑喉場問屋へ漁村より贈る。問屋にては、一夫台上に立ち、魚籃一つ宛を捧げ、さあなんぼなんぼと云ふ。(中略)此時、大坂市中魚賈群集し、欲するところの価を云ひ、其中貴価なる者に売与す。これを、「市を振ると云ふ」とあり、セリ市でやかましく騒ぎ立てることから「いちびる」という言葉が生まれたことがわかる。と、あるわ。いちびりとは、ふざけまわる人、お調子者、出しゃばりといった意味の大阪弁のようょ・・・(おさる)

 さすがやなあ ! 木魚の発想(居ながらにしてちびる)とは雲泥の差や・・・それにしても、おさるさんは賢い。

    名月や弟子に打たるゝ古木魚