木魚歳時記 第368話

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 鴉かあ 一休悟る おぼろの夜

 トンチで有名な一休禅師は、堅田の祥瑞寺で修行され、夜半鳴く鴉の声で大悟されたそうです。悟りのきっかけとは、難行苦行の結果ではなくそういうものかも知れません。

   「おシャカさまは良いこといっていますよ

      苦しむことは楽しむこと、
        楽しむことは苦しむこと」(棟方 志功)

 一休禅師の生涯をみると、小才の効いた神童の顔と、厳しい修行僧の顔と、それから、自由奔放に生きた「人間味」の顔があると伝えられています。そのいずれもが、世間の欺瞞や虚飾に向けて子供のように純粋に反応した「人間味」が魅力となっています。