木魚歳時記 第362話

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病弱の 魚とむらひて 風光る

 現実に病弱の魚が、居ようと居まいと。現実に「風光る」のが見えようと見えまいと。ぼくのアンソロジー(詞華集)には、こんな俳句?がふさわしいと考えています。ですから「風光る」中でぼくの柩車は出てゆく・・・そうありたいものです。

   「散る桜残るさくらも散る桜」(良寛

 この歌?を、はじめて知ったときは、てっきり、詠み人知らずの「辞世の句」と思いました。つまり、明治維新の動乱で死んでいった志士か、あるいは、桜島から飛び立っていった特攻隊の戦士の「辞世の句」かと思ったのです。良寛さんのお歌に自分達の気持を託した?