木魚歳時記 第345話

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 説法に 猫そっけなし 春彼岸

 ぼくの顔は「しんきくさい」。それに負けず劣らず、お説教も「しんきくさい」。お檀家さんは、さぞかし我慢、辛抱かと思います。そんな彼岸説法の最中、野良が一匹通りすぎてゆきました。

   「心は境界に随ひて流る。
     鉄の磁石におけるが如し」(楞伽経)

 大自然において、昼と夜の時間帯がニュートラル(均衡)となる「彼岸」(ひがん)の頃は、せめて、右だ左だ・白だ黒だ・・・つまり「二者選択」の合理主義を見直して、少々「おおらか」な気持ちで周囲を見つめるチャンスと・・・