木魚歳時記 第322話

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 一輪の 万景しのぐ 梅の花

 ぼくの寺には紅梅があります。一月の中旬から咲き始め、錆色の風景の中で異彩をはなって叫(おら)んでいます。ぼくは、壮大な月ヶ瀬梅林(奈良県)を遠景で眺めるのもいいですが、蕾一つ花一輪をまじか見るのがもっと好きです。

   「冬来たりなば、春遠からじ」(シェリー)

 NHK「心の旅」シリーズを楽しみにしています。あの『壁の中の懲りない面々』を書いた安部譲二氏の心の旅にも感動いたしました。極道をめぐる親子の確執も「父情」の一端であった・・・愛情の持ち方も、その表現のしかたも人さまざま「みんな違ってみんないい」。のでありましょう。ぼくの息子もお寺を継ぐために東京から戻ってきます。