木魚歳時記 第302話

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一滴の 一音冴ゆる 水路閣

 水路閣とは水道橋のことです。蹴上の浄水場から分岐した疎水は、この「水道閣」をとおり、岡崎から哲学の道にそって松ヶ崎の浄水場へと至ります。南禅寺境内にある水路閣を眺めると、いつも、ローマの「水道」のことを思い浮かべます。

   「魂のこもった青春は
   そうたやすく滅んでしまうものではない」(ハンス・カロッサ)

 田辺朔郎博士の偉業を中心に、京都の文明開化のいくつかを紹介いたしました。いまから約一世紀前にさかのぼる京都の活力をあらためて認識いたしました。いま京都の景観がいちじるしく変貌するのを目にしながら、せめて「京都らしさ」の保全にお互いが努力すべきでないでしょうか。