木魚歳時記 第297話

f:id:mokugyo-sin:20131220141922j:plain

寒紅を つけて鳥居の 改まる

 平安神宮の大鳥居の丹塗が新装されました。「紅」は寒椿とか千両のようにマゼンタ(赤紫)に近い色なので、鳥居の色としては「朱」(黄赤)がそぐわしいのですが、季語との関係で「寒紅」となりました。でもなにか落ち着きません。

   「風のように歩けそうです」(高村 光太郎)

 東南アジアの仏像とか寺院は極彩色に彩られています。日本の仏像とか伽藍は「古色」が似合います(神社は例外として)。どうして?これは大和・京都(盆地)に根ざす「かすみ」の文化、すなわち「わび・さび」の文化と無関係ではないのでしょう。