木魚歳時記 第294話

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大僧の 発酵したり 松七日

 神社と違い、お寺は正月は暇です。ぼくは破戒僧ですから、お寺は大黒さんにまかせて、毎年「寺町を出で花街へ初詣」(ウソ)。しかしぼくが居場所を失って「発酵」しそうになるのは事実です。
   
 「煩悩を只捨てなんと思うなよ渋柿すら甘くなるぞよ」              (佐藤 勇禅)

 蛹(さなぎ)が蝶に変身するように、発酵と腐敗は紙一重です。釈迦は「難行苦行」で悟れず菩提樹の下におられました。そのとき、村娘スジャータの捧げるヨーグルト(乳粥)をお召しになり悟りに到達された・・・アウフヘーベン(発酵)です。