木魚歳時記 第273話

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冬帝の 湖を塞ぎて 舫舟

 炎帝は夏を、冬帝は冬をつかさどります。その冬帝も気まぐれ、湖(うみ)を塞(ふさ)いで、もやい舟といたします。

 「どこまでも澄んでいて、しかも底の知れないものが、
      真に深いのである」(三木 清)

 ぼくは海や湖を眺め、ある種の恐怖感をいだくことがあります。それは、ぼくが泳ぎ下手だから・・・と考えていました。しかし、このごろになって、海や湖のもつ底知れない深さへの畏敬の念による・・・そう考えるようになりました。