木魚歳時記 第259話

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花八手 灯るあはれや 夜の雨

 八手の花?おぼろげな記憶しかありません。そこで訪ねて歩いたところ、それは身近な路地裏にありました。

   「苦労をしたことがない人は自分のことを先にしたがる」(石川 洋)

 格子戸の明かりに照らされて、白い核(さね)が浮かぶように輝やいていました。そのようすはかなり芯強い・・・ただひたすら待つことに慣らされた王朝時代の女性像を、ふと、思い浮べておりました。