木魚歳時記 第162話

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つるし干す 作務衣の列に 秋日和

 オスがメスより図体が大きいのは、メスの争奪合戦に有利だからです。オスの図柄が目立つのは、メスに気に入られ、求愛を受入れてもらうためです。

 しかし、鳥のタマシギ(玉鴫)は、メスがオスより大きくて色柄も派手です。しかもタマシギのメスは、抱卵をオスにまかせて、その間にまた別のオスと交尾をします。つまり、タマシギは「一妻多夫」なのです。また、魚の中には、メスより小さいオスがいて、そいつはメスになりすまして、雄ライバルの目を盗んで雌に近づき、あわよくば首尾を遂げます。

 こうして見ると、動物の世界は、種の保存への進化がスム-ズになされているようです。ですから、わたしたち人類においても<玉姫さま>がおられても決して不思議でありません、それは「非常識の常識」つまり、人類が進化した証明なのです。
   「妻ゐない 夫パン食ふ 秋日和」