木魚歳時記 第107話

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そよ風に 御高祖顔する 葱坊主

 ぼくの師僧(おやじ)は81歳でお浄土へ召されました。晩年、「勢至丸」さまお飾りした部屋で、白磁のような体になって、お浄土へと旅立ってゆきました。

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 法然上人は、美作・みまさか(岡山県)にお生まれになりました。幼名を「勢至丸」ともうされましたが、9歳のとき、押領使・おうりょうし(地方役人)であった、父、漆間時国が夜討に遭い非業の死を遂げられましたが、遺言により敵討ちを断念されたと伝えられます。
 13歳で比叡山(天台)に登られ、学問・修行を重ねられた結果、43歳のとき(1175年)に「念仏の教え」に心眼を開かれ、東山吉水に下られ、「念仏往生」を教えとする「浄土宗」(じょうどしゅう)を開かれたのです。庶民の教えを説く浄土宗では以来<非暴力>を旨とします。
 「雪のうちに、仏のみ名を称ふれば、積もれる罪ぞやがて消えぬる」(法然上人)