木魚歳時記 第93話

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午祭り 狐の顔も 三度まで

 「爺い、お嫁にいくでやんす」。やんす姫も年貢を納める気になったようでがんす。もう爺のことなどかまってくれない?でも、嬉しいことでがんす。

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 「摂取して捨てたまわず」<第1番目>
 「仏の座したまう蓮華の花より発する救いのみ光は、十方の世界におよび、念仏する衆生を摂取(せっしゅ)して捨てたまわず」(『観無量壽経』)。とあるでがんす。極楽世界の蓮の花より発する、み仏の救いのみ光(願い)は、すべての国土に、万人平等にふりそそぐのでがんす。問題は、そのことに気づき、そのことを信ずるかどうか?でがんす。
 「わたしだけがどうして?」と悩むことが多いのは、まわりのことがみえないからでがんす。まわりをみつめ直すことができれば、目に見えない、ご縁、かかわりに気づくはずでがんす。お互いを信ずることもできるのでがんす。
 仏の願いは「摂取して捨てたまわず」なのでがんす。仏の救いから漏れることはないのでがんす。大事なことは、その仏の救いを信じることでがんす。