2018-06-30から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第3474話

枕する首すじから肩にかけて、またふとんのなじまない足の寒さに、童子さえもすぐに寝つかれない夜が多かった。心の野を横ぎる雲の影のようなものが、夜な夜な睡(ねむ)りにくい童子の小さな心を苦しめた。(佐藤春夫『極楽から来た』)176 仏塔を鋭角に切…