2018-06-22から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第3466話

今まで、芝原の肌の骨のように包まれ横たわり伏していたものが、不意に立ち上がったかのように突兀(とつこつ)とそそり立つ天狗岩の傍らに出た。目を見張り見上げつつささ原をかき分け、かき分け、登ればやがて山頂も芝生であった。(佐藤春夫『極楽から来…