定明は長途(ちょうと)河海の波濤(はとう)を分けて無事に都門に入りはしたが、浮世(うきよ)の波は激しく彼にはつらかつた。望みどおりの滝口にもなれず、彼は時代の暗流にのまれて強盗の群れにまじったが、袴垂(はかまだれ)のような盗人の大将軍にな…
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