うろたえはじめた定明は、思いあまってほかに相談する相手もなく、額の傷をはちまきで包んで、また叔父をたよって行くと、律義者の叔父ははじめ顔色をかえて厳しくしかったが、やがて定国の遺した藤原宗輔あての手紙を取り出し、かねて義兄から預かった金子…
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