木魚歳時記

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2014-01-13から1日間の記事一覧

木魚歳時記 第1774話

大雅寺 江戸時代、南画家(なんがか)の最高峰と称された池大雅(いけのたいが)は、子どものころから神童と呼ばれるほどの画才を発揮していたそうな。だから大雅についてはユニークな逸話も多く残されているそうな。享保(きょうほ)年間に、上賀茂の深泥ヶ…

木魚歳時記 第1773話

世継地蔵 河原町五条あたりに、昔、河原院(かはらいん)というお屋敷があったそうな。そこで貴族たちが詩歌管弦(しいかかんげん)を楽しんでいたそうな。その後、家康(いえやす)が、河原院(かはらいん)の跡に上徳寺(じょうとくじ)というお寺を建立(…

木魚歳時記 第1772話

だん王さん 昔の東海道。いま、国道一号線の出発点の三条大橋の東北に、檀王法林寺(だんのうほうりんじ)という寺がある。京の<だん王さん>と親しまれる、この寺の呼び名については、二つのわけがあるそうな。その一つは、この寺を復興した袋中上人(たい…

木魚歳時記 第1771話

革堂 行願寺(ぎょうがんじ)の山門から、赤いちょうちんが見える。本尊の十一面観音像(かんのんぞう)が浮かび、観音信仰が、京の町衆ともに生きてきた、寺の雰囲気とよくマッチしている。昔、男が山中で鹿を射とめた。ところが、その鹿は身ごもっていてな…

木魚歳時記 第1770話

うっさん 「烏芻沙摩明王」(うすさまみょうおう)をお祀(まつ)りする大竜寺(だいりゅうじ)は、裏寺町の繁華街にあったが、いまは右京区の福王子に移転したそうな。昔、都に疫病(えきびょう)がはやったとき、源連社(げんれんじゃ)という僧が<うすさ…

木魚歳時記 第1769話

きゃらかんさん 伽羅観音菩薩(きゃらかんのんぼさつ)は、青竜寺(せいりゅうじ)の本尊さまでじゃ。伽羅(きゃら)と呼ばれる香木を用いて、伝教大師(でんぎょうだいし)により、刻まれたと伝えられているそうな。青竜寺には、もう一つおもしろいものがあ…

木魚歳時記 第1768話

六道さん 京都の六原のあらり、珍皇寺(ちんのうじ)のある<六道の辻>あたりは、昔から、この世とあの世の分かれ道と信じられていた。また「あの世とこの世を行き来することができる」場所とも信じられていた。昔、小野篁(おののたかむら)という、偉い学…

木魚歳時記 第1767話

大黒さん 妙円寺(みょうえんじ)は、八月十六日の「妙法」(みょうほう)の送り火で名高い。松ヶ崎にある日蓮宗(にちれんしゅう)の寺じゃ。このあたりは、旧松ヶ崎村といわれる日蓮宗信者の村落じゃった。それ以上にこのあたりは、<松ヶ崎の大黒天>とし…

木魚歳時記 第1766話

猿寺 昔、円譽(えんよ)という坊さまがおられた。心のやさしいお方で、猿や狐にナムアミダブツと書いた紙切れを与え手を合わすよう説いておられた。或るとき、猟師(りょうし)が山で猿を射ようとしたところ、猿が紙切れを落とした。猟師が見ると「ナムアミ…

木魚歳時記 第1765話

丈六さん 泉涌寺(せんにゅうじ)の総門をくぐると、丈六(じょうろく)の釈迦を安置した、戒光院(かいこういん)がある。身の丈が、約五・五メートル、昔から、大きな仏像のことを、<丈六さん>と呼んだそうな。この釈迦如来(しゃかにょらい)の喉(のど…

木魚歳時記 第1764話

三十三間堂 蓮華王院(れんげおういん)という、正式な名前があっても、そのように呼ぶ人は少ない。南北に二百五十メートル、柱と柱の間数(けんすう)が、三十三間(げん)あるところから、三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)と呼ばれている。木造建築で…

木魚歳時記 第1763話

本因坊の寺 江戸時代から続く囲碁(いご)の本因坊(ほんいんぼう)の<タイトル>のルーツが、東大路仁王門東入るの寂光寺(じゃっこうじ)にある。なるほど、寂光寺の門をくぐると「第一代本因坊報恩塔」の大きな石碑が目につく。昔、寂光寺には、本因坊と…

木魚歳時記 第1762話

安産の寺 安産の寺として知られる大連寺(だいれんじ)と、真如堂(しんにょどう)の阿弥陀如来(あみだにょらい)は、いずれも安産の仏(ほとけ)として、女性の信仰を集めているそうな。円仁(えんにん)上人が、晩年、比叡山の念仏堂に籠(こも)られ、念…

木魚歳時記 第1761話

紫雲石 黒谷さん=金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)の塔頭(たっちゅう)に西雲院(さいうんいん)がある。この寺の庭に、長さ二メートルほどの黄色味をおびた石が置かれてあるがのう。これを「紫雲石」(しうんせき)と呼ぶそうな。承安五年。比叡山(天…

木魚歳時記 第1760話

さかされんげ 安養寺(あんにょうじ)の本尊の阿弥陀如来(あみだにょらい)の、蓮台(れんだい)は、蓮(はす)の花びらが、みんな下を向いているそうな。八葉(はちよう)の逆蓮華(さかされんげ)といって、大変に珍しいものだそうな。そのいわれを聞いて…

木魚歳時記 第1759話

蛸薬師さん 新京極のド真ん中に、妙心寺(みょうしんじ)という寺があるがのう。昔、この寺の住職の母親が病気になり、好物の、「蛸(たこ)が食べたい」という。「坊主(ぼうず)が魚を買うのは・・」住職はためらったが、蛸を買って持ち帰ったそうな。これ…

木魚歳時記 第1758話

六角堂 頂法寺(ちょうほうじ)は、本堂の屋根の形が六角形であるところから「六角堂」(ろっかくどう)と呼ばれている。この寺では、住職が華道池坊(いけのぼう)の家元を勤めることでも知られている。また、六角堂(ろっかくどう)は、聖徳太子(しょうと…

木魚歳時記 第1757話

赤山さん 赤山禅院(せきざんぜんいん)は、京都御所の表鬼門にあたる。比叡山の麓にあり、雲母(きらら)坂とつながっています。千日回峰の修行者は、真夜中あたりに、この赤山明王(せきざんみょうおう)にお参りされるそうな。赤山明神(せきざんみょうじ…

木魚歳時記 第1756話

問答寺 大原の勝林院(しょうりんいん)といえば、有名な三千院とともに、紅葉のころはひときわにぎわうそうな。松林院は、円仁(えんにん)上人さまの開山で、声明(しょうみょう)発祥(はっしょう)の地ともいわれているそうな。この寺で法然上人が、諸宗…

木魚歳時記 第1755話

小町寺 絶世の美女、小野小町も晩年は悲惨であったとか。洛北の山里で見取る人もなく世を去ったそうな。白骨となった眼窩(がんか)から、ススキが芽をふいていたという伝説まである。後にこの地に建てられたのが補陀落(ふだらく)寺じゃが、人はこの寺を小…

木魚歳時記 第1754話

お釈迦さん 嵯峨の清涼寺(せいりょうじ)の本尊さまは、三国(インド・中国・日本)伝来の秘仏だそうな。なんでも、ご本尊さまは、栴檀(せんだん)の香木で刻まれた釈迦像(しゃかぞう)であるそうな。しかも、この本尊さまは、お釈迦(しゃか)三十七歳の…

木魚歳時記 第1753話

だるま寺 立つたり、寝たり、あお向け、うつぶせなどなど、一万数千体の、達磨大師(だるまだいし)像が、寺のあちらこちらに坐ってござる。法輪寺(ほうりんじ)先代の後藤伊山和尚が「失敗しても起き上がれ」「失意の人はみんな来い」インド、中国、日本の…

木魚歳時記 第1752話

椿寺 昔、加藤清正が「文禄の役」(ぶんろくのえき)で、朝鮮より持ち帰って秀吉に献上した椿が地蔵院に植えられている。この椿は、樹齢約四百五十年、五色の花びらが桜のようにハラハラと散ることで有名で、地蔵院は、椿寺(つばきてら)と呼ばれるくらい有…

木魚歳時記 第1751話

鳴虎さん 堀川寺の内を東に行くと報恩寺という寺がある。そして、この寺には虎の絵を描いた屏風がある。なんでも、中国の有名な絵描きが描いたそうな。これがあまり上手に描かれていてのう、いまにも動きそうな、という噂が立った。そのころ、聚楽第(じゅら…

木魚歳時記 第1750話

釘抜さん 昔、紀伊国屋道林という長者がいたそうな。 或る日、長者の手が痛みだして止まらない。そこで、弘法大師が刻まれたと伝えられ、痛みの治療にご利益(りやく)があるという、石像寺のお地蔵さんにお詣りすることにした。長者は日参を欠かさなかった…

木魚歳時記 第1749話

猫寺 称念寺の和尚は猫が好きでのう子猫を飼っていた。 ところがこの子猫が、わるさ好きで、或る日のことじゃ。和尚は、虫のいどころが悪くて悪さをする子猫を追い出してしもうた。その晩、寝ている 和尚の枕元に子猫が現れ、「和尚さん、明日、いいことがあ…

木魚歳時記 第1748話

閻魔さん 京都の千本北大路。このあたりは昔から蓮台野(れんだいの)と呼ばれ、平安京の洛中と洛外の境であり、死人(しびと)が捨てられたこともあったそうな。 たくさんの卒塔婆(そとば)が並ぶところから、<千本通り>の名がついたそうじゃ。これを見…

木魚歳時記 第1747話

濡髪さん 知恩院がつくられたときのことじゃ。 本堂に童子(わらし)が坐っていてのう「自分は、昔からここに棲んでいる白狐じゃが、お寺ができて棲む処がなくなり困っています」 と、寺の僧に告げたそうな。 そこで僧は、お寺の裏山に白狐の棲む処をつくっ…

木魚歳時記 第1746話

二等分 長者が住んでいました。ところが長者は病気にかかり寿命が尽きることを悟ったので、二人の息子を枕もとに呼んでこのように伝えました。「自分が死ぬようなことが起これば財産はすべてに二等分しておまえ達に与える」。そういい残して長者は死んでしま…

木魚歳時記 第1745話

リスの夫婦 リスの夫婦が巣づくりをしていた。やがて秋になり木の実ができたのでそれを木の洞(うろ)にたくわえることにした。ところが、日がたつにつれて蓄えた木の実が乾燥して、もとの量の半分になってしまった。オスはメスに「おまえが食べたのだろう」…